Q1.いつできたの?
A.昭和45年に開設されました。
Q2.子どもや先生は何人いるの?
A.平成22年度は、通級児童8名・担任2名でスタートしました。過去10年間で見ると、多い
年度で10名の児童数でした。年度の途中で児童が増えることがあります。随時入級を受
け付けるためです。
Q3. 「通級」って?
A.児童はそれぞれの地域の小学校に在籍し、週に1〜2回小岩小学校のひまわり学級に来
て学習します。学習時間数は、お子さんの状態や、保護者の家庭事情、在籍校の要請な
どを考慮し、個々の実態に応じて決めます。おおむね1回につき4〜6時間です。ですから、
朝から直接小岩小学校に来て、給食も食べ、午後の授業もします。中には、午前中に学習
し午後は在籍校へ帰るとか、逆に午後だけの通級というケースもあります。
Q4.どんな子ども達が対象なの?
A.視力や視機能に障害をもつお子さんを対象とします。
Q5.うちの子、眼鏡とっちゃったら0.1もない近視なんだけど、
対象になるの?
A.いいえ。近視などの屈折異常の場合で、眼鏡をかけて矯正視力がきちんと出ている方は、
対象になりません。眼疾によりますが、眼鏡をかけても矯正視力が出ないとか、視野が狭い
などの視機能障害があって、日常生活で見ることに様々な困難があるお子さんが対象にな
ります。
Q6.どんな学習をするの?
A.(1)視覚補助具の活用練習をします。
@遠用レンズ(離れたところにあるものを見るとき使う)
単眼鏡がその代表です。自分の座席から黒板の文字を読むときなどに使います。
A近用レンズ(手元のものをはっきり見るとき使う)
ルーペといっています。拡大倍率や形状など、様々なものがあります。
小さくて見づらい文字を読むときなどに使います。
B拡大読書器
テレビのモニター画面に拡大して映し出します。レンズより高い倍率が得られます。
最近では携帯型の拡大読書器も出てきました。
@単眼鏡を使う練習 Aルーペ等を使う練習 B拡大読書器を使う練習
(2)見えにくいために、在籍校での学習でよく身についていかない内容について学習
します。(教科の補充指導という言い方をすることがあります。)
特に、次のことが重要です。
@漢字の読み書き(とめ、はね、はらい等の細かい部分の確かめ)。
文章を正しく読む。
A算数の「量と測定」における計量器具(ものさし、はかり)の目盛りの学習。
B作図に関する学習(定規・コンパス・分度器の使い方)。
C資料(表、グラフ)の読み取り。地図を見る。
(3)見方を上手にする(視覚認知力を高める)学習や、目と手の協応動作を向上させ、
手指の巧ち性を高める学習をします。
例えば、次のような内容です。
ていねいに見比べる力をつけ、道具の使い方に慣れさせます。
@はさみの使い方。ひもの結び方。
A昆虫などの生き物や、身近な植物の観察。
B図形や絵のちがいさがし。図形の模写。色板やブロックで形を構成。
C家庭科との関連で、縫い物やミシン操作、包丁の使い方の練習。
D図工との関連で、カッターや彫刻刀、のこぎり、金槌などの使い方の練習。
E理科との関連で、実験器具の扱い方。
(4)運動の学習をして、苦手意識をなくしたり、運動能力の向上を図ったりします。
@あたっても痛くない布製のボールを使ってボールゲームをしたり、バランス遊具を
使ったりして運動に親しみ、運動への苦手意識を緩和します。
A弱視のお子さんは運動発達が遅れがちです。リズム体操をしながら姿勢や動作
の改善を行ったり、縄跳びなどの基本の運動のレベルアップを図ったりします。
(5)自己の障害を受容していく気持ちを育てます。
@発達段階に応じてですが、自己の障害について認識し、受け止め、視覚補助具
を恥ずかしがらないで進んで使おうとする態度を育てます。
A眼疾によっては進行性の経過をたどり、医学的な治療や経過観察が必要なこと
があります。視覚管理が大切であることを認識できるように指導します。
Q7,在籍校との連絡は?
A. 個別に在籍校訪問を行い、授業を参観して学習活動の様子を知り、校長先生や担任
の先生と話し合います。現在は年1回実施しています。
通常は、学年便り・学級便りの交換、電話やお便りによる個別の連絡を行っています。
在籍校からの要請に応じて、在籍学級のお子さん達を対象に、「見えにくいって、どん
なこと?」というテーマで、理解・啓発を目的にした出張授業を行うこともあります。言葉
で説明するだけでなく、シミュレーションめがねをかけて体験学習もしてもらうと、よりいっ
そう理解が得られ、実施した学校の担任の先生から「とてもよかった」と言ってもらえます。
Q8, 弱視通級指導学級って、たくさんあるの?
A.いいえ。残念ながらとても少ないです、学校教育の関係者の中でもあまり知られていなと
思われます。東京都の弱視通級指導学級は次の11校にあります。
<小学校>
@葛飾区立住吉小学校
A足立区立五反野小学校
B江戸川区立小岩小学校
C江戸川区立第四葛西小学校
D中野区立中野本郷小学校
E大田区立東調布第三小学校
F世田谷区立笹原小学校
G練馬区立中村西小学校
H町田市立本町田東小学校(巡回指導)
<中学校>
@練馬区立開進第三中学校
A江戸川区立松江第一中学校
B葛飾区立立石中学校
※ 東京都以外の自治体では弱視学級のシステムが違うことがあります。
「弱視」は、視力が低いだけでなく、眼疾によってちがいますが、次の様な「見えにくさ」を伴って
いることが多いのです。
@ぼやけて見える。
A屋外や通常の室内照明では、まぶしすぎて見えない。
B暗い所(夜・雨天時の夕方など)で見えない。
C視野が狭い。
D視野の中心部分が見えない。
Eゆらゆら揺れて見える。
中には、「黒板の文字が見えるのに、机上の教科書の文字やものさしの目盛りが見えにくい」
というタイプもあります。遠視性の弱視とでもいえるでしょうか。
通常の視力検査は、5メートルの距離からランドルト環の視標で測定します。
(これを「遠見視力」といいます。)
これとは別に、30センチメートルの距離で測定する検査があります。
(これによって得られる測定値を「近見視力」といいます。)
遠見視力だけでは、遠視性の弱視を見つけることができません。
視覚障害でも、まったく見えない「盲」の場合はすぐわかりますし、特別な指導が必要 だという
ことは誰にも理解されやすいのですが、「弱視」の場合は、おおまかな日常生活は何とかできている
ように見えるので、障害についての周囲の理解が得にくく、特別な教育の必要性に気づかないま
ま、になっていることがあります。
でも、ここで紹介したような、弱視のお子さんのための指導を行うことで、お子さんの様子がきっと
変わります。お心当たりの方がおられましたら、一度相談の扉をノックしてみてください。
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