学校経営方針   22年度

1,はじめに

 学校の役割は「自立して社会で生きていく基礎を育てる」ことである。知識を教えるだけではなく人として生きてゆくための心構えとか、態度といったものを子ども達に育てていく、つまり社会性をどのように育んでいくのか。日々の学習の中で、集団の利益がかならずしも個人の利益と一致しない社会の仕組みを教えなければならない。そのため、個人が集団のために自己抑制しなければならない場面を多く教育課程に組んでいく。学校の存在理由は集団と個人の調和をどうするかを学ばせ心豊かで個性的な子ども達を体験を通して逞しく育んでいく場であると考えている。

2,経営の方針

 生徒の夢(志)と社会性や主体性を育てることが教育目標達成の基本である。生徒は集団の中で様々な活動を通して成就感を味わえる学校生活を創造することに努める。

@新しい教育課程の移行二年目、変革期の学校教育について的確な認識を教職員が持つ。      

 学校全体として質の高い教育活動(指導)を推進するために研修を大切にし、教師一人一人 が学校運営に参画し、主体的に教育活動に専念できるように体制を整える。

A人間は認めてくれる人のもとではのびのびと力を発揮する。 

 生徒相互、生徒と教師の人間的触れ合いや良さを認め合うことを大切にし、全領域において 心の通い合う生徒指導、生き方指導をもとにした進路指導を推進する。

B学校は生徒の心を陶冶する場である。

 校地・校舎・体育館等を施設としての長所を把握し活用するとともに、生徒に主体的活動を 促すため一層整備を進める。

C生徒は地域社会・家庭・学校を生活の場とし、その中で成長する。

 生徒の成長の基盤である地域・家庭との連携を強化する。

3,経営の重点 

@創意を生かした教育活動の推進

 ◎校内の研修活動の充実。また、外の研修にも積極的な参加を通して指導力の向上を図ると  ともに、校内の協力体制を整え、日常の教育活動の中に教師の創意(研修の成果等)を生かしていくことを大切にする。

A教育課程の整備

 ◎基礎学力の定着・情操の陶冶・体力の向上を図り、生きる力を育む。そのため、指導内容の更なる厳選や教科・特別活動・道徳・総合的な学習の時間の相互の関連を図った指導の充実、選択教科の有効な指導を進める。

 ○学校(教育内容、方法、施設・設備)を再点検し、心豊かな生徒を育てる場として整備する。

B地域・家庭・幼稚園・小学校・高等学校・関係諸機関との連携強化

 ◎家庭や地域との情報交換を蜜にして相互理解を深め、父母と共通のねらいをもって教育活動を進める。(学校評議員・学校保健委員会・給食委員会・等有効に連携を図る。)

 ○学校の教育機能(技術・施設)を地域に開放するとともに、地域の教育機能(自然・施設・人材)を学校の教育活動に生かすなど役割を分担し相互保管を図る。

4,指導の重点

@豊かな心を育てる教育活動の推進

 ◎生き方を考えさせる啓発的な進路指導を推進し、夢を育て夢を実現するための進路選択能力を育てる。

 ○学級経営を大切にし、生徒、教師相互の信頼関係を高めて体験を中心にして積極的な生徒  指導を推進するとともに、基本的な生活週間の育成を図る。

 ○豊かな道徳性の涵養に努め、体験を通して、体験を基調とした教育活動を推進し、自然や郷土を愛する心を育てる。

A新しい指導観に基づく指導の充実(習得と活用)

 ◎教科(必修・選択)・領域の内容・指導法を工夫するとともに、その相互の関連を図った教育活動(総合的な学習の時間)の充実を図り、実践を推進する。

 ○体験的学習の場を設定する等、生徒の主体的学習を促進し、個を生かす指導を推進する。                                                                 

B体力づくりと安全教育

 ◎逞しい心身を育てる活動を計画的に継続し、体力づくりと生涯スポ−ツに生きる実践的能力を育成する。                                                                                                                        

 ○交通安全指導の深化(個別化、心情化、生活化)を図る。

 ○食育、望ましい習慣の育成を図り自己管理能力を育てる。

「さわやかな挨拶、うつくしい笑顔に満ちあふれた学校」にむけて

  人が人を教えるというのは、足が竦むくらい恐ろしい仕事である。様々な失敗をやってきた私が、人の前に立つことに常に不安を感じつつ生活してきた。 教師をやめよう、自分には向いていない仕事だ、私に教えられる生徒は迷惑だ、と思いつつやってきた。まだすがりついている。

  ただ言えることは、人と人との営みの中には何かがあることは間違いない。人は、見つめれば見つめるほど面白いし、人を相手にすればするほど刺激的なことはない。だから止めずにやって来たのかもしれない。

  だとすれば「人間が好きで人間に興味を抱いている人」は、教師として勤まるのかもしれない。
「教えるということに迷いを抱き、畏れを抱いている人」も、教師になりえる
のかもしれない。

  教師生活36年目に入った。畏れおののく仕事ではあるが、楽しくもある。「情熱をかけてやればかけた分だけの感動がいつの日にか自分に戻ってくる。感動というのは、自分の一生懸命さに比例する」そんなことを今思っている。

○基本姿勢

「それが子どものためになるか」を前提に

 ・子どもの立場に立ったアイディアが学校を支える。学校の主役は子どもだから…

 「さわやかな挨拶、うつくしい笑顔に満ちあふれた学校」は、教師・保護者・生徒によってつくられる。そのためには、教師・保護者の研修、目標の共有化、情報のオ−プン化を通した相互の信頼感の養成、理解・協力が肝要である。また、我々教師はつねに生徒の実態をきめ細かに把握し、個に応じた心温かな指導に心がけねばならない。そして、学級・学年・生徒の活動等の充実・強化は、目標に向かって生き生きと生活する人づくりに欠かすことのできない重要な場である。

○基本的態度

「実践」あるのみ

・まず、やってみること

・そして、計画を修正しながらやれば、本当にやりたいことが見えてくる。

 ※指導の基本

 @『確かな学力がつく指導』

  ・一人一人の個性にあった指導法と評価の工夫

 A『充実した学校生活ができる指導』

  ・生徒の健全な人間関係の育成を目指す学級づくり

○教師の姿勢

「教師になったときの熱い気持ちを忘れることなく、豊かな発想、優れたアイディア、鋭いセンス」で

・教師は、つねに創造的(想像的)実践家でありたい

・従来の考え方、慣例からの脱皮を図りながら、西葛西中でしかできない教育は何かを考え実践をしていきたい。(学校の環境や地域の実態・特性等を生かす)

※特に特色のある教育活動−学習する生徒の育成、活躍する生徒の育成、生徒指導の充実、不登校生徒の減少、学習環境の整備、開かれた学校作り、教職員の研修他

教職員への願いー教えるべきことは確実に教える

@教師への心━━┳━━━━ひたむきな努力   ━━━━そこに工夫が生まれる
                ┣━━━━教師は指導者     ━━━━子どもの心になって見つめる目をもつ
                ┗━━━━間としての成長━━━━ 研究・研修が教師の存在を決める 

A授業への心━┳━━━━工夫・改善       ━━━━教育内容は日々変化する
                ┣━━━━子どもの期待      ━━━━さげすみより励まし
                ┗━━━━指導する        ━━━━個々のつまずきを捉える 
 

B学級への心━┳━━━━学級経営案    ━━━━子どもの成長をプラン化
                ┣━━━━個と集団とのかかわり ━━ 変化する人間関係を捉える
                ┗━━━━大切な子どもたち ━━━━ 一人一人に生きる場を与える 


C学校への心━┳━━━━組織体の一員     ━━━━組織としての認識を持つ
                ┣━━━━学校の戦力       ━━━━学校を動かすのは一人一人の努力
                ┗━━━━創造性の発揮     ━━━━新しいアイディアを求めている


D保護者への心━┳━━━━保護者の思い     ━━━━かけがえのないわが子
                ┣━━━━共に考える作業   ━━━━問題を常に返す
                ┗━━━━信頼の感情        ━━━━ひたむきな愛情でしか生まれない

○職員室(職員間)の雰囲気

 ◎やる気、厳しさ、心温かな教職員(さわやかな職員室)

 @一人一人の発言が大切に(尊重)される職員室

 A互いに成長できる(専門性と人間性)温かさのある職員室

 B実践と和を大切にする職員室

 C来校者に対する挨拶・応答がきちんとできる職員室(電話の応対等も)

 D「おはようございます」「お先に失礼します」「ご苦労さまです」「ありがとうございます」「ごめんなさい」    という言葉に満ちた職員室

○指示事項として

 @仕事は組織系統を尊重し、正確・迅速・敏感かつ積極的に進めてほしい。

 A人の和に配慮し、気配りを忘れず、思いやりの心を持って接してほしい。

 B生徒で勝負、授業で勝負という気構えを持ってほしい。それが具現化につながる。

 C受容する態度は基本だが、許してもよいこと、許してはいけないことをはっきりさせて生徒に接するこ    と。安易な妥協・迎合的態度はとらない。

 D生徒の良いところをみつけ、ほめる指導の中で、個性の伸長をはかってほしい。

 E各種検定試験への挑戦、作品の応募等、ボランティア、チャンスはなるべく多く与えてほしい。
  (一年間に一回は全員が朝礼で表彰されることを期待する)

最後に

 京都ノ−トルダム女子大学長、梶田先生の話し

 教育というのは、一人の人間を一人前の人間に育てていく仕事です。だけれども、私達はえてして、与えられた枠組みの中でとりあえず何をどうこなしていくかだけを考えて

 いくことになります。去年もこうだったし、今年もこうやっていけばいいじゃないか、更には、来年も

こうやっていけばいいじゃないか、というふうになってしまいがちです。

 何のためにこういう活動をしているのか、自分にはどういう使命があるのか、この学校にはどうい

う成果が期待されているのか、といったことはすっかり忘れられてしまいがちに
 なります。

 (以下、略)


お互いに心して、生徒達の夢を大きく育てていきたいと思います。



                                                Back