平成19年度 全国学力調査結果と分析

(1)学力調査 結果と分析                                                

調査結果概要[国語A:主として知識]
調査結果概要[国語B:主として活用]
課題等
【話すこと・聞くこと】
◆(A)話の要点を聞き取り、聞き手にとって分かりやすく話をすることに課題がある。
◆(B)話し手の内容を自分の考えに照らし合わせて聞くことに課題がある。

【書くこと】
◆(B)説明文の事柄を要約すること、与えられた条件に即して書き換えることに課題がある。
◆(B)自分の考えを筋道を立てて書くことや多くの言葉を使い、豊かに表現することに課題がある。

【読むこと】
◆(A)物語文の登場人物の心情について、表現や叙述に即して読むことに課題がある。
◆(B)文章とグラフにまとめられた事実を関係付けて読むことに課題がある。
◆(B)二つの文章を比べて読み、共通する書き方の良さや工夫を評価し、自分の考えとしてまとめることに課題がある。

【言語事項】
◇(A)当該学年に配当されている漢字を正しく読むことは、相当数の児童ができている。
◇(A)意味のつながりを考えながら、接続語を正しく使うことは、相当数の児童ができている。
◇(A)指示語の文脈の中における働きを理解することは、相当数の児童ができている。
◆(A)一文で書かれた内容を理解し、一文を二文の構成にして書き換えることに課題がある。

指導改善のポイント
【話すこと・聞くこと】
○整理しながら話したり、話の要点のメモを取りながら聞いたりするなどの具 的な言語活動を取り入れ、
  話すこと・聞くことに関する知識・技能を定着させる指導の充実を図る。
○話型などを学年に応じて指導し、相手の考えを受け、関連づけて話し合えるよう指導の充実を図る。

【書くこと】
○文章を要約したり、字数や様式などの与えられた条件に即して書き換えたりする言語活動を多く
  取り入れるなど指導の充実を図る。
○接続語の適切な使い方の指導を充実させていく。

【読むこと】
○登場人物の心情や性格、考え方などを捉えるようにする言語活動の充実を図る。
○文章とグラフ・図などを含む題材を取り上げ、文章の内容と資料の情報とを関係付けながら的確に
  読む言語活動の充実を図る。
○複数の文章や資料を取り上げ、観点を設定して比べて読む言語活動の充実を図る。

【言語事項】
○文の構成についての理解の定着を図るために、二つの内容を一文にまとめたり、一文を内容ごとに分けて
  書き換えたりする言語活動の充実を図る。

調査結果概要[算数A:主として知識]
調査結果概要[算数B:主として活用]
課題等
【数と計算】
◇(A)整数や小数についての四則計算については相当数の児童ができている。
◆(A)分数の意味の理解不足により、分数計算に課題がある。
◆(A)文章問題を読んで式を立てたり、式を見て文章問題を考えたりすることに課題がある。
◆(B)計算の工夫を理解し、その計算方法を説明したり、問題の条件を整理して、筋道を立てて計算方法を
    考えたりすることに課題がある。

【量と測定】
◇(A)三角形や平行四辺形を求める公式を理解し、その公式を用いて面積を求めることは、相当 数の児童が出来ている。
◇(A)L字型の図形の面積を求める式を読み取ることは、相当数の児童ができている。
◆(B)地図から複数の図形を見いだし、必要な情報を取り出して面積を比較したり、説明したり することには課題がある。

【図形】
◇(A)平行四辺形の定義や性質を理解することは、相当数の児童ができている。

【数量関係】
◇(B)単純な棒グラフの数量関係を読み取ることは、相当数の児童ができている。
◆(B)グラフが複雑になると読み取りに課題が残る。
◆(B)百分率を用いて問題を解決することに課題がある。
◆(B)式の形に着目して計算結果の大小を判断し、根拠を明確にして説明することに課題がある。
 ◇・・相当数の児童ができている ◆・・課題のある点 A=算数A、B=算数B

指導改善のポイント
【数と計算】
○四則の意味をしっかり理解させるため、問題の場面のイメージを膨らませる指導を重視する。
○数を多面的に見て(100=25×4など)計算の工夫を考える活動の充実を図る。
○文章問題を自分の力で読み取らせ、根気強く問題に取り組む姿勢を身につけさせる。

【量と測定】
○様々な情報が示される場面や課題から、問題解決のために必要な情報を選択して考える活動の充実を図る。

【数量関係】
○日常生活で百分率が用いられる場面について考える活動などを通して、百分率の意味の理解を深め る指導を重視する。
○式の形に着目して計算結果を考え、根拠を明らかにして説明する活動の充実を図る。


(2)生活面における調査結果及び分析

1.朝食を毎日食べていますか。

○朝食を毎日食べている児童の割合が、全国・東京都に比べ、4,5%程度低い。
○あまり朝食を食べていないという児童が9%もいる。
○学校と保護者が共通理解のもと朝食をとることの大切さを指導していきたい。


2.学校に持って行く物を、前日か、その日の朝に確かめていますか。

○毎日持ち物を確かめている児童の割合が、全国に比べて20%も低い。
○持ち物をあまり確かめていないという児童が、全国、東京に比べ倍の割合でいる。
○保護者への啓発も含め、持ち物をそろえることの大切さを指導していきたい。


3.身の回りのことは、できるだけ自分でしていますか。

○自分でしている児童の割合が、全国、東京に比べ、4,5%程度高い。
○全くしていない児童の割合は、1%未満である。
○今後とも、できるだけ自分で行うことができるよう指導していきたい。


4.毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか。

○同じ時刻に寝ている児童の割合が20%強で、全国に比べ10%以上低い。
○「同じ時刻に寝ている」に「全くしていない」と回答した児童が15%もいる。
○保護者への啓発も含め、生活リズムを整えることの大切さを指導していきたい。


5.毎日、同じくらいの時刻に起きていますか。

○同じくらいの時刻に起きている児童は85%程度で、全国平均に近い。
○「全くしていない」と回答した児童が7%で、全国に比べ2倍の割合である。
○ご家庭の協力を得て、生活リズムを整えることの大切さを指導していきたい。


6.勉強する時間を自分で決めて実行していますか。

○時間を決めて実行している児童の割合が、全国に比べ5%程度高い。
○逆に時間を決めていない児童の割合が、全国に比べ7%程度低い。
○引き続き、時間を決めて取り組むことの大切さを指導していきたい。


7.テレビを見る時間やゲームをする時間などのルールを、
  家の人と決めていますか。

○ルールをきめている児童の割合が、全国に比べ7%程度高い。
○逆にルールを決めていない児童も30%程度いる。
○ゲームの時間を決めるなど、けじめのある生活態度の大切さを指導していきたい。


8.外に出て遊んだり、運動・スポーツをして体を動かしたり
  していますか。

○運動・スポーツをしていると回答した児童は、85%程度いる。
○「していない」と回答した児童は10%程度で、全国平均に比べて低い。
○引き続き、保護者理解のもと、外で体を動かすことの大切さを指導していきたい。


9.ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがありますか。

  ○「うれしかったことがある」と回答した児童が97%いる。
  ○「全くない」と回答した児童はいなかった。
  ○「うれしかった」ことの心情や経験を生かし、さらにやり遂げることの大切さを指導していきたい。