学力向上プランへ 
                                                                     

平成20年度都学力調査の結果
平成20年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の
結果について
 東京都教育委員会が、平成21年1月15日に都内の小学5年生(中学2年生)を対象として実施した「児童・生徒の学力向上を図るための調査」について、本校の問題解決能力等・観点別平均正答率、調査結果の分析と考察、そして、確かな学力向上に向けた今後の取り組みがまとまりましたので、ここにお知らせ致します。
1.問題解決能力等・観点別平均正答率(都・区・本校)
問題解決能力等 観点別結果
問題を
発見する力
見通す力 適応・
応用する
適応・
応用する
適応・
応用する
意志決定
する力
表現する力 適応・
応用する
問題を
発見する力
見通す力 適応・
応用する
意志決定する力 表現する力
平均


番号


番号
都全体 81.5 59.6 58.0 47.5 47.7 50.6 72.1 64.7 60.2 81.5 59.6 54.5 50.6 72.1
江戸川区 81.3 58.5 54.7 49.2 43.8 47.5 70.7 61.2 58.3 81.3 58.5 52.2 47.5 70.7
41 27 春江
小学校
76.0 44.8 52.0 44.8 54.4 40.0 69.6 56.8 54.8 76.0 44.8 52.0 40.0 69.6
2.問いごとの結果分析と指導方法改善のポイント(都・区・本校)
本校の結果は正答率のみ掲載いたします

結果の分析

指導方法改善のポイント



 

3(正答)

その他

無回答

東京都

2.7%

2.3%

81.5%

13.2%

0.2%

0.1%

江戸川区

2.6%

2.6%

81.3%

13.2%

0.2%

0.1%

春江小

 

76.0%

 







 正答は、選択肢
であり、区全体では81.3%の正答率である。誤答の反応率が高いのは選択肢で、それぞれ13.2%ある。この要因としては、2枚の写真を比較し、イの「30年くらい前にあったガードレールが現在別のさくに変わっている」ことは読み取れたものの、エの状況について読み取れなかったことによるものと考えられる。エの状況が読み取れなかったのは、「上段にある写真(川に下りる階段がない)が30年くらい前のもので、下段にある写真(川に下りる階段がある)が現在のものである」ということが十分認識できず、選択肢にある「30年くらい前にあった川に下りる階段」という文から「川に下りる階段」がある写真の方を30年くらい前のものと判断し回答したものと考えられる。
 本校の正答率は76.0%で、都・区に比べて5%以上低い。その原因は、複数の情報を比較し読み取る活動が不足しているためと考えられる。今後、社会、理科を中心に情報を論理的に読み取る活動に力を入れていく必要がある。


【 各教科や総合的な学習の時間の学習において 】

複数の情報を観点に沿って比較・関連付けながら読み取る活動の充実を図る。
①事象を読み取る「観点」を明確にして、その「観点」に沿って複数の事象を比較・関連付けながら共通点や相違点を読み取るように指導する。
②読み取りの過程において、事象に潜む矛盾する点や不明確な点などについて児童の気付きを教師が意図的に引き出し、問題意識を喚起するように指導する。


 

2(正答)

その他

無回答

東京都

11.2%

59.6%

19.1%

9.1%

0.5%

0.5%

江戸川区

11.5%

58.5%

19.6%

9.5%

0.4%

0.5%

春江小

 

44.8%

 







 正答は、選択肢であり、区全体では58.5%の正答率である。誤答の中で最も反応率が高いのは選択肢19.6%である。この要因として、割引制度の内容を理解してバスの料金がいくらになるのか見通しを持つことができずに、「バスに4回も乗るから1日乗車券を買った方が安くなるだろう。」と考えてしまったことによるものと考えられる。

 本校の正答率は44.8%で、都・区に比べて15%程低く、全問中最も差が大きい結果となった。これは、ひとつの条件を元に結果を予想し、見通しを持つという経験が、普段の授業の中で不足していることが原因と考えられる。今後は、総合的な学習の時間や理科の学習を中心にして「見通す力」育成するための経験を計画的、継続的に積ませていく必要がある。


【 各教科や総合的な学習の時間の学習において 】

結果を予想する習慣を身に付けるための学習の改善・充実を図る

理科の学習では、実験を行う前に結果について予想させるだけではなく、内容に応じて観察を行う前にも結果を予想させる。それにより、観察の視点が明確になり観察への意欲も高まっていく。こうした活動を継続していくことによって、結果を予想する習慣が児童に身に付いていくものと考えられる。
  また、「見通す力」を育成するためには、予想する経験を積ませるだけでなく、予想したことについて情報交換する場面を設定することも重要である。それにより児童は、自分の予想の立て方やその妥当性について振り返ることができるとともに、友達の予想を聞いてよいところを学ぶことができるからである。

結果の分析

指導方法改善のポイント



 

4(正答)

その他

無回答

東京都

15.9%

10.3%

15.5%

58.0%

0.2%

0.2%

江戸川区

16.5%

11.1%

17.2%

54.7%

0.2%

0.3%

春江小

 

52.0%

 







 正答は選択肢4で、
区全体では54.7%の正答率である。誤答の中で反応率が高いのは選択肢1と3で、それぞれ16.5%、17.2%の反応率である。この誤答の要因としては、3回試したことと結果とを結びつけて考察する力に課題があり、懐中電灯がつかなかった原因を特定することができなかったことによるものと考えられる。
 本校の正答率は52.0%であり、都・区と比べて低い結果となった。誤答の要因は上記と同様で、今後、理科の学習で観察・実験をする際に、その目的を明確にさせるとともに、観察・実験の結果を論理的に考察する経験を多く積ませる必要がある。


【 理科の学習において 】

観察・実験の目的や条件に即してその方法を考える学習、及び、観察・実験の結果を考察する学習の改善・充実を図る

実際の生活場面において問題を解決する力を育成するためには、観察・実験の方法について、児童自らが考える場面を設定することが必要であり、児童の発達段階や実態を踏まえて段階的な指導を行っていくことが重要である。
 また、考察する力を育成するためには、児童一人一人が観察・実験から明らかになる範囲を明確にして、どのように考察を行い、表現するとよいのか教師が適切に指導する必要がある。例えば、学習問題と結果を関係付けて考察することによって、学習問題に正対した結論を導くようにすることや、考察によって得られた結論をどのように文章や図などに表現したらよいのかなどについて、教師が具体的に例を示しながらどのように考察し、表現したらよいか指導していくようにする。



 

(正答)

その他

無回答

東京都

47.5%

13.6%

26.6%

12.1%

0.1%

0.2%

江戸川区

49.2%

15.3%

21.3%

13.9%

0.1%

0.3%

春江小

44.8%

 







 正答は、選択肢1で、
区全体では49.2%の正答率である。誤答の中で最も反応率が高いのは、選択肢3で、21.3%の反応率である。誤答の要因としては、話し合いの冒頭でゆみこさんが述べている「調べて分かっていることは、言わないようにしましょう。」という、この話し合いのルールについて理解できずに選択してしまったことによるものと考えられる。また、話し合いの進行係の役割の一つである「話題に沿った話し合いとなるように、発表された意見を整理する」ということに気付かずに選択してしまったことや、話題からそれた意見が発表された際に、意見を修正し話題に沿って話し合う経験が不足していることも、その要因として考えられる。
 本校の正答率は44.8%で、都・区と比べて低い結果となった。その要因は、ルールを明確にし話題に沿った話し合いを進める経験が不足しているためと考えられる。今後、国語や学級会などの話し合いの場面に於いて、話題に沿った話し合いの進め方や進行の役割について習熟を図る必要がある。



【 国語科の学習において 】

目的を明確にして話題に沿った話し合いとなるように指導の改善・充実を図る

児童に話し合いを進行させる経験を十分に積ませるとともに、話し合いの際には、話題を明確に意識させるようにすることが必要である。例えば、話し合いの前に話し合う目的を確認し、話し合うメンバー全員で共有するようにしたり、話し合いの内容にずれがないかどうかを確かめる場面をもうけたりすることなどが考えられる。その際、進行係の役割についても確認し、話し合いの進め方についても習熟を図るようにすることが大切である。



 

2(正答)

その他

無回答

東京都

16.1%

47.7%

21.8%

13.7%

0.3%

0.3%

江戸川区

15.1%

43.8%

24.6%

15.8%

0.4%

0.4%

春江小

 

54.8%

 







 正答は、選択肢2「Aコースで、さくら茶屋の西を通る」で、、
区全体では43.8%の正答率である。誤答の中でも反応率が高いのは、選択肢3の「Bコースで、けやき茶屋の南を通る」で、24.6%の反応率である。この誤答の要因としては、南北の方位は理解しているものの、等高線の見方についての理解が不十分なことによるものと考えられる。
 本校の正答率は54.8%で、都・区と比べて高い結果となった。しかし、誤答も都・区と同様に選択肢3の反応率が高かった。今後、等高線の見方の指導を改善していく必要がある。


【 社会科の学習の時間の学習において 】

方位や等高線の見方についての理解させるための指導の工夫を図る

方位については、社会的事象を観察、調査したことを白地図に記入する際に理解し活用できるように指導することが大切である。その際、次のような指導により、方位の理解を確かにしていくようにする。①方位は、自分が立っている所を中心にして考える。②その場合、右手を東に合わせると、左手が西、正面が北、背中側が南になる。このことを基本にして、地図や分布図などの読み取りの際に方位を用いて言い表す指導を継続的に行っていくようにする。一方、等高線の見方については、等高線の間隔と傾斜の関係を立体模型などを活用してイメージがもてるように指導していく必要がある。

結果の分析

指導方法改善のポイント



 

3(正答)

その他

無回答

東京都

25.9%

11.1%

50.6%

11.9%

0.1%

0.4%

江戸川区

27.8%

12.2%

47.5%

11.9%

0.2%

0.4%

春江小

 

40.0%

 







 
正答は、選択肢3で、47.5%の正答率である。誤答の中でも反応率が高いのは、選択肢1で、27.8%の反応率である。この誤答の要因としては、それぞれの条件(頼まれたこと・やりたいこと)相互の関係を十分に検討しなかったため、「せんたく物をほし終わってから5時間以上たったら、取りこんでたたむ」という時間の感覚にかかわる条件を見落としていたことによるものと考えられる。
 本校の正答率は40.0%で、都・区と比べて10%近い差ができてしまった。これは、複数の資料から必要な情報を読み取り、活用する力が不十分であることを示している。今後、社会科や総合的な学習の時間の中で情報を読み取り活用する力を養う指導をさらに充実させる必要がある。


【 各教科や総合的な学習の時間において 】

必要な情報を読み取って活用する学習や、児童自らが活動の計画を立てる学習の充実を図る

意志決定する力を育てるためには、複数の資料から必要な情報を読み取って活用する学習の充実を図ることと、児童が自分自身の力で物事を決定していく経験を積むことが重要である。そのためには、社会科の学習において、分布図や土地利用図、グラフなどの資料から、それぞれの傾向や特徴を読み取る活動や、それぞれの資料を比較したり関連付けたりする活動を設定することが考えられる。また、特別活動における係活動では、児童自らが創意工夫しながら活動の計画が立てられるように、係活動の目的を明確にし、それぞれの考えや願いを検討し、児童が主体的に取り組めるように指導していくことが大切である。



 

1,3,6を全く含んでいない

1,3,6のいずれかを1つ以上含む

その他

無回答

5-7-4-2

5-4-2-8(正答)

5-7-2-8

(正答)

5-7-2-4
5-2-8-4
(正答)

左記以外でAが5

Aが2,4,7,8

Aが5

Aが6

Aが5,6以外

東京都

69.5%

2.4%

0.2%

8.4%

4.4%

5.3%

5.2%

3.5%

0.6%

0.5%

江戸川区

67.6%

2.8%

0.3%

8.5%

5.2%

5.7%

5.0%

3.9%

0.5%

0.5%

春江小

64.0%

5.6%

0.0%

 











  正答は上の表のように3つのパターンがあり、正答率は70.7%である。誤答は、大きく2つに分類できる。1つは、選択肢1,3,6を全く含んでいないもので、内容は適切だが、文の順序が適切ではなく、文章を構成する力に課題があると思われるものである。もう1つは、選択肢1,3,6のいずれかを1つ以上含むもので、問題の図を読み取り、示されている内容を忠実に示す力に課題があると推測できるものである。
 なお、文章のはじめに選択肢5または選択肢6を記入した児童は、89.1%いる。このことから、人に物事を説明する場面で最初に伝える必要があることについては、多くの児童が表現できているものと考えられる。
 本校の正答率は69.6%であり、誤答の傾向と要因は、上記と同様である。

 

【 各教科や総合的な学習の時間において 】

情報から事実を読み取り、順序よく表現する指導の改善・充実を図る


今回の調査で、一部の児童は、情報を読み取ることはできているものの、順序よく表現することができていないことが分かった。こうした児童については、説明する場面を適切にとらえ、説明する事柄を整理して発表できるように指導することが大切である。

結果の分析

指導方法改善のポイント



 

4(正答)

その他

無回答

東京都

5.7%

12.2%

15.9%

64.7%

0.5%

1.0%

江戸川区

6.9%

13.6%

16.5%

61.2%

0.6%

1.2%

春江小

 

56.8%

 







正答は
選択4で、区全体では61.2%の正答率である。誤答の中で反応率が比較的高いのは選択肢3で16.5%、選択肢2で13.6%の反応率である。これらの誤答の要因としては、「ℓ」(普遍単位)、「本」(2ℓのペットボトルを基準)、「はい」(10ℓのバケツ、200ℓの浴そうを基準)の3種類の単位が提示されているため、家で1日に使う水の量の合計を求める際に、どの単位を活用すればよいか判断ができなかったことによるものと考えられる。
 本校の正答率は、56.8%であり、都・区と比べて低い結果となった。その要因は、水の量の単位の理解不足と、資料を整理して課題解決のために活用する作業の方法が充分身に付いていないことが考えられる。今後、算数の時間などで、資料を整理し、その特徴や傾向を読み取ったり、特徴や傾向に着目して事柄を判断したり、その理由を説明したりするといった一連の活動を意図的に取り入れることが必要である。


【 算数科の学習において 】

筋道を立てて考える力を培う指導と、情報を整理して問題を解決する指導の改善・充実を図る

算数においては、解決のための方法や結果について見通しを持ち、筋道を立てて考えることが大切である。例えば、この問題を解くためには、考えの筋道を明確にすることが大切である。この場合、①表に示された水の量を「ℓ」の単位にそろえて計算する、②「ℓ」にそろえた数値をさらに浴そう「200ℓ」のいくつ分かに置き換えるという過程をたどることが考えられる。このように、筋道を明らかにして段階的に考えられるよう、指導の工夫を図る必要がある。
 さらに、目的に応じて情報を整理したり、読み取ったり、新たに表現したりする能力を伸ばすことが大切である。例えば、この問題の場合、「家で一日に使う水の量の中で、一番多く使っているのは何だろう。」と問いかけることで、表の一つ一つの項目に着目させることができ、普遍単位の必要性にも気付かせることができる。また、あ新たに「ℓ」の単位にそろえた表を作らせることで、分かりやすい整理の仕方を身に付けさせることができる。