平成20年度児童・生徒の学力向上を図るための調査報告
※ 小学校5年問題解決能力
1 2 3 4 5 6 7 8 平均
問題を発見する力 見通す力 適応・応用する力 適応・応用する力 適応・応用する力 意志決定する力 表現する力 適応・応用する力
都全体 81.5 59.6 58 47.5 47.7 50.6 72.1 64.7 60.2
江戸川区 81.3 58.5 54.7 49.2 43.8 47.5 70.7 61.2 58.3
第四葛西小 75 55 56.7 46.7 36.7 51.7 67.5 70.8 57.5
 平成21年1月15日(木)に実施した、「児童・生徒の学力向上を図るための調査」で現在の6年生が行った「問題解決能力」についての正答率である。正答率の平均値は、都が60.2、区が58.3のところ、本校はわずかに下回り57.5であった。
 現在求められている学力とは、基礎的・基本的な事項ばかりでなく、もっている知識を日常生活の中でどのように生かしていくかが問われている。そのような現状の中で今回の調査が行われた。この調査では、知識量を計るのではなく、日常生活に近い形の設問に対してどのように考え、どのように対処するかを答える調査である。実際にどのような力が求められているかというと、
①「問題を発見する力」②「見通す力」③「適応・応用する力」④「意志決定する力」⑤「表現する力」の5点である。
 本校の結果から見ると、いくつかの設問では、都全体、江戸川区を上回っているものの、全体的に都や区の平均を下回っている。これらを解決するためには、児童一人一人の学力にあった個別指導を中心に、丁寧な指導を行っていくことが必要であると考える。また、各教科、総合的な学習の時間で、問題解決型の学習を多く取り入れ、自ら課題を見つけ、その課題を解決するための方法を考える活動を充実させるとともに、話し合い活動を充実させていく必要がある。具体的に学力向上を図る手立ては以下の通りである。
 ① 体験的な活動および問題解決的な学習の一層の充実
・児童自らが問題を把握し、その問題に対する仮説(予想・理由)を立て、観察や実験、調査・取材活動を通して検証や追究できるようにする。
・検証や追究にあたっては、調べて考えたり、考えて表現したりする活動を十分に確保し、自ら考えを深め、問題解決が図られるようにする。
 ② 学ぶことの意味の理解を図り、活用する力をはぐくむ指導の工夫
・学習のめあてを明確にし、相互評価・自己評価の場面を位置付け、児童自身に、「何を学習したのか、その結果どうであったのか」ということを意識化させる。
・学校の教育活動全体を通して、生活場面でも授業で学習したことが活用できる指導や日常生活との関連を図った教材の提示など指導の工夫をする。
 ③ 言語活動の指導の充実
・国語科で培った能力を基本に、各教科等の授業において、体験から感じたことを多様な方法で表現する、観察や実験の結果を正確に記述・報告する、根拠を明らかにし筋道を立てて説明するなどの言語活動














問いごとの結果の分析と指導方法改善のポイント
結果の分析 指導方法改善のポイント
1問題を発見する力  75%の正答率である。誤答の要因としては、2枚の写真を比較し、イの「30年くらい前にあったガードレールが現在別のさくに変わっている」ことは読み取れたものの、エの状況について読み取れなかったことによるものと考えられる。 【各教科や総合的な学習の時間の学習において】
1 児童が複数の情報を観点に沿って比較・関連付けながら読み取る活動の充実を図る
 事象を読み取る「観点」を明確にして、その「観点」に沿って複数の事象を比較・関連付けながら共通点や相違点を読み取るように指導する。また、読み取りの過程において、事象に潜む矛盾する点や不明瞭な点などについての児童の気付きを教師が意図的に引き出し、問題意識を喚起するように指導する。
2 設定する問題の意義について吟味・検討する活動の充実を図る
 児童一人一人が問題を設定した後に、すぐに追究する活動に入るのではなく、グループや学級全体で児童一人一人が考えた問題について情報交換を行い、問題の内容やその価値について検討した後、再度問題を練り直して、追求する問題を決定するような活動を設定していく。
2見通す力  55%の正答率である。誤答の要因としては、割引制度の内容を理解してバスの料金がいくらになるか見通しをもつことができずに、「バスに4回も乗るから一日乗車券を買った方が安くなるだろう。」と考えてしまったことによるものと考えられる。 【各教科や総合的な学習の時間の学習において】
1 結果を予想する習慣を身に付けるための学習の改善・充実を図る
 第3学年理科の「植物の成長と体のつくり」の学習では、ホウセンカの種まきをする際に、芽が出る様子を予想して絵に表す活動を設定する。実際に絵に表してみると、児童は、植物の芽が出た様子について、よく分かっていないことに気付く。その結果として、「芽が出た様子を確かめてみよう。」といった観点の視点が明確になり観察への意欲が高まっていくものと考えられる。
2 結果の予想についての情報交換を行う学習の改善・充実を図る
 情報交換を行うことによって、児童は、自分の予想の立て方やその妥当性について振り返ることができるとともに、友達の予想を聞いて、友達のよいところを学ぶこともできる。この経験を積み重ねていくことが大切である。
3適応・応用する力  56.7%の正答率である。誤答の要因としては、3回の試したことと結果とを結び付けて考察する力に課題があり、懐中電灯がつかなかった原因を特定することができなかったことによるものと考えられる。 【理科の学習において】
1 観察・実験の目的や条件に即してその方法を考える学習の改善・充実を図る
 児童の発達段階や実態を踏まえて次のような段階的な指導を行う。①教師が観察や実験の目的およびいくつかの方法を示し、自動が選択できるようにする。②教師が方法の大筋を示し、方法の一部を児童に考えることができるようにする。③②について、児童が考える部分を増やしていく。④方法の大半を児童が考え、情報交換を通して方法を決定していく。
2 観察・実験の結果を考察する学習の改善・充実を図る
 児童一人一人が観察・実験から明らかになる範囲を明確にして、どのように考察を行い、表現するとよいか教師が適切に指導する。学習問題と結果を関連付けて考察することによって、学習問題に正対した結論を導くようにすることや、考察によって得られた結論をどのように文章や図などに表現したらよいかなどについて、教師が意図的・計画的に指導を行うことが大切である。
4適応・応用する力  46.7%の正答率である。誤答の要因としては、話し合いの冒頭で述べている「調べて分かっていることは、言わないようにしよう。」という、話し合いのルールについて理解できずに選択してしまったことによるものと考えられる。 【国語科の学習において】
1 目的を明確にして話題に沿った話し合いとなるように指導の改善・充実を図る
 児童に話し合いを進行させる経験を十分に積ませるとともに、話し合いの際には、話題を明確に意識させるようにする。話し合いの前に話し合う目的を確認し、話し合うメンバー全員で共有するようにしたり、話し合いの内容にずれがないかどうかを確かめる場面を設けたりする。その際、進行の役割についても確認し、話し合いの進め方についても習熟を図るようにすることが大切である。
2 ルールを示し、見通しをもって話し合うことができる指導の改善・充実を図る
 グループで話し合う場面において、グループの机上に話題やきまりを示し、話題やきまりについて意識させることで話し合いが目的からずれるのを防ぐようにするといった指導の工夫が考えられる。 
5適応・応用する力  36.7%の正答率である。誤答の要因としては、南北の方位は理解しているものの、等高線の見方についての理解が不十分なことによるものと考えられる。 【社会科の学習において】
1 方位や等高線の見方について理解させるための指導の工夫を図る
 方位については、社会的事象を観察、調査したことを白地図に記入する際に理解し活用できるように指導する。また、等高線の見方については、「等高線が混んでいる所は傾きが急であること」や「等高線の間が広い所は傾きが穏やかであること」のイメージがもてるように立体模型等の活用を通して指導するなど、工夫する。
2 地図上に示された情報を活用して読み取る力を身に付ける指導の充実を図る
 縮尺を用いて、地図上にある地点からある地点までの長さを測って実際の距離をとらえる技能については、小学校段階では社会科以外の教科で学習する機会はない。そのため、社会科においてこのような基礎的な技能を習得させ、日常生活において実際に活用できるようにしていくことが大切である。
6意志決定する力  51.7%の正答率である。誤答の要因としては、それぞれの条件相互の関係を十分に検討しなかったため、「洗濯物を干し終わってから5時間以上たったら、取りこんでたたむ」という時間の感覚にかかわる条件を見落としていたことによるものと考えられる。 【各教科や総合的な学習の時間の学習において】
1 必要な情報を読み取って活用する学習の充実を図る
 第5学年社会科の「我が国の主な食料生産」の学習において、農作物や食料生産物の分布図や土地利用図、農作物の生産量のグラフから、それぞれの傾向や特徴を読み取る活動やそれぞれの図やグラフを比較したり、関連付けたりする活動を設定することが考えられる。
2 児童自らが活動の計画を立てる学習の充実を図る
 中学年の特別活動における係活動では、児童自らが創意工夫しながら活動の計画を立てられるようにする。係活動の目的を明確にし、それぞれの考えや願いを検討し、児童が主体的に取り組めるように指導していく
7 表現する力  67.5%の正答率である。誤答の要因としては、内容は適切だが、文の順序が適切でなく、文章を構成する力に課題があると考えられる。また、問題の図を読み取り、示されている内容を忠実に示す力に課題があると考えられる。 【各教科や総合的な学習の時間の学習において】
1 情報から事実を読み取り、順序よく表現する指導の改善・充実を図る
 説明する場面を適切にとらえ、説明する事柄を整理して発表できるように指導することが大切である。グラフや図などの資料を用いて調べて分かったことを説明する場面において、どのような順序で説明すればよいかを検討させたり、説明の準備の前に、説明するための順序について考えさせたりする。
2 説明する内容を整理する指導の改善・充実を図る
 相手に物事を説明する際には、相手の立場や状況、目的に応じて、説明する内容を整理して表現することが大切である。社会科の学習で調べたことをまとめる場面において、「事実」と「感じたこと・考えたこと」を区別しているかどうかについて確かめる活動を設定することなどが考えられる。
8 表現する力  70.8%の正答率である。誤答の要因としては、3種類の単位が提示されているため、家で一日に使う水の量の合計を求める際に、どの単位を活用すればよいか判断できなかったことによるものと考えられる。 【算数科の学習において】
1 筋道を立てて考える力を培う指導の改善・充実を図る
 この問題を解くためには、考えの筋道を明確にする。この場合は、①表に示された水の量を「ℓ」の単位にそろえて、計算する。②「ℓ」にそろえた数値を、さらに浴そう「200ℓ」のいくつ分に置き換えるという過程をたどることが考えられる。このように、筋道を明らかにして段階的に考えられるよう、指導の工夫を図る。
2 情報を整理して、問題を解決する指導の改善・充実を図る
 ①目的を明確にし、それに沿った資料を収集する、②資料を整理し、表やグラフに表して資料の特徴や傾向を読み取る、③特徴や傾向に着目して事柄を判断したり、その理由を説明したりするといった一連の活動を意図的に取り入れることが大切である。
※ 小学校4年基礎的・基本的な事項に関する調査
《国語》 《算数》
話す・聞く能力 書く能力 読む能力 言語事項 平均 数学的な 考え方 表現・処理 知識・理解 平均
都全体 81.8 75 73.8 74.3 74.3 77.1 83 78.2 85.4
第四葛西小 80.3 70.6 74 72.9 72.9 74.3 77.5 73.8 75.8
 平成21年1月15日(木)に実施した、「児童・生徒の学力向上を図るための調査」で現在の5年生が行った「基礎的・基本的な事項に関する調査」の正答率である。国語の正答率の平均値は、都が74.3で本校は72.9であった。算数では、都が85.4で本校は75.8であった。両者ともに都の平均を下回っている。
 問題解決能力を高めるためには、基礎的・基本的な事項の習熟が必要不可欠である。基礎的な漢字の読み書きや計算につまずいている児童のつまずきの傾向や原因を分析し、授業改善に努め、少人数学習・ぐんぐんタイム・サタデイプロジェクト(個別補習)等で、個々の児童の習熟度に合った丁寧な個別指導のさらなる充実を図っていく。また、家庭への説明及び協力を呼びかけ連携を図り、学習習慣の確立に向けて学習環境の整備に努めていく。日々の授業との関連を考慮した宿題を提示し、家庭での学習が毎日の学校での学習や生活に役立つ意識をもてるようにしていく。